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「編集者のための〆切手帳」は編集ライターの救世主となるか!?竹村俊助さんインタビュー

今、編集者やライターが続々と購入している手帳があります。その名も、「編集者のための〆切手帳」!スケジュールと複数のプロジェクトの進捗を一緒に管理できる工夫が凝らされており、多くのタスクを抱えて〆切に追われる私たちを救う!?と、注目の的です。

この手帳を作ったのは、株式会社WORDSの竹村俊助さん。この手帳には、日々多くのプロジェクト管理に取り組む自身の理想を詰め込んだそうです。制作秘話や、込められた思いを伺いました。

竹村俊助(たけむら しゅんすけ)氏
株式会社WORDS代表取締役。ダイヤモンド社などを経て、現在は経営者の顧問編集者として企業の発信活動をサポートしている。自著に『書くのがしんどい』(PHP研究所)。

X:https://twitter.com/tshun423
Webサイト:https://words-inc.co.jp/
note「理想の手帳が見つからないので自分で作ってみたよ、って話」 


デジタル化の時代にあえて紙の手帳を作った理由

――竹村さんご自身は、ずっと手帳でスケジュール管理をしているのですか?

そうですね。最初に手帳を使い始めたのは、小中学生のころでしたね。父親が会社でもらってきた手帳に、ちょこちょこ何かを書く程度でしたが。

本格的に使い始めたのは高校3年生のときで、受験勉強の計画を立てるために使っていました。社会人になってからも、紙の手帳オンリーです。

――スケジュール管理ツールやアプリは多数ありますが、それでも手帳を使い続けている理由は何ですか?

個人的に、手帳の方が自分の時間に集中できるからです。僕、昔から集中力があまりなくて。スマホでカレンダーアプリを開いて予定を書き込むときも、ついSNSやニュースサイトを覗いてしまうんですよね。

情報を整理しやすいことも魅力的だと思っています。チャットツールをいくつも使っていると、どのツールで何のやり取りをしたか、いつ何の予定が決まったかを把握するのも大変で…。そうした手間が省けるように、打ち合わせの記録やちょっとしたメモ、アイデアなんかも全部手帳に書き込んで、「情報が全部ここにまとまっている」という状態にしています。

――「もう2度と〆切に遅れたくない」という思いもあって「編集者のための〆切手帳」を作られたそうですが、過去にスケジュール管理で失敗したこともありますか?

ありますね…。マンスリーページにメモ書きした予定をウィークリーページに転記し忘れて、予定をすっぽかしちゃったことがあります。

あとは「10月中」みたいに締切日が明確に決まっていない記事を作っていたときにズルズルと制作が遅れてしまって、結局、提出が11月1日、2日になったこともありますね。

――だから「編集者のための〆切手帳」ではマンスリーページを無くして、大きな年間カレンダーを付けて、という仕様になっているんですね。

そうですね。過去に何か大きな失敗をしたから手帳を作ったというよりも、手帳を使い始めてからずっと積み重なっていた小さなストレスをどうにかしたい、という気持ちで作りました。

スケジュールページ上部は朝10時~夜9時までの予定が書けて、下部はガントチャートとして使える

年間カレンダーは、なんと全長80cm! 手帳にとじ込みではなく、単体で使うタイプ


制作で苦労したのは「製本方法」を決めること

――構想を開始してから完成までに、どれくらいの期間がかかりましたか?

半年ぐらいですね。僕はこれまで書籍はたくさん手がけてきましたが、さすがに手帳作りは初めてでした。それに僕、手帳ってざっくりラフを作って、デザイナーさんに「こんな感じで!」ってオーダーすれば作れると思っていたんですよ。でも実際は全然、そんなこともなくて(笑)

デザイナーの山之口さんも手帳作りは初めてだったので、市販の手帳をひたすら買って、「この手帳はここがいい、こっちの手帳のここはこうしたい」と、一緒に研究しました。

――この手帳を作るときに、一番苦労した工程はどこですか?

手帳の製本方法(とじ方)を決めるところです。手帳を書いたり確認したりするときって「綺麗に開いて、そのまま置けるか」が大事だと思うので、いろいろな製本方法で試作品を作りました。

どの製本方法が一番良いのかはあまり分からなかったので、とにかくいろいろなパターンを作っては改善し、の連続でした。何より、試作品1つを作るのにもなかなかコストがかかったので、費用面でも大変でしたね。

製本方法を変えたサンプル。左は「糸かがり」、右が採用した「PUR」。見た目や開き具合をいろいろ検討した。

試作の手帳の数々。表紙の紙も、いろいろなパターンを試した。中央が採用した「バージ」

――購入者にぜひチェックしてほしい、こだわりポイントはどこでしょうか?

2つあります。まず、年間カレンダーに書いてある小さな数字ですね。これは、大きな数字が月の何週目かを、小さい数字はその週が何日から始まるかを示しています。

中央のマスに3と12が書かれているが、これは3月の3週目が3月12日から始まることを示す

たとえば「3月の3週目を〆切にしよう」といった話が出たときに、「3月の3週目」が具体的に何日からなのかって、パッと分からないですよね。結局、他のカレンダーを見て突き合わせる必要がある。だから、そういうときに活用してもらえたらと思って入れました。

年間カレンダーは全体像をざっくり見るためのものだから細かい日付は入れませんでしたが、「この週が何日からか」が分かるだけですごく便利になると考えたんです。

――便利ですね!もう1つのポイントは?

もう1つは、表紙です!「バージ」という紙を使ったんですが、これは「食品衛生試験」の適合品で、食品が直接触れても問題ないそうなんです。

水濡れや油汚れにも強いはずなので、アイスコーヒーを買って移動するときとか、お菓子をもらって置き場がないときにちょっと乗せても大丈夫。打ち合わせで水をぶっかけられたときも多分、ガードできるかもしれません(笑)

おしゃれで可愛らしく、緊急時は防具にもなる!?無敵の手帳だ


書き心地や使い勝手にもこだわった

――市販の手帳は、紙が薄くて、ボールペンや濃い色のペンで書くと裏写りするものもありますよね。その点、「編集者のための〆切手帳」はいかがでしょう?

使う紙を書籍で使われるものにしたので、その点は大丈夫だと思います。採用した紙は「ソリスト」という種類なのですが、これは設問があって、自分の答えを書き込むタイプの書籍でよく使われているもの。だから、書き込んでも裏写りはしづらいです。

この紙は、書籍のデザインもされている山之口さんならではの視点です。紙そのものに風合いがあって、どこか温かみを感じられるところも気に入っています。ちょっと強めに書くと紙が凹むこともあるのですが、それもまた味として楽しんでいただけたら。

――使うほど、愛着が増していきそうですね。フリーページはありますか?

はい、罫線も何もない真っ白なページが約10ページあります。「せっかく編集者が作るんだし」とおまけのページをいろいろ付けようかと思いましたが、やめました(笑)


仕事・キャリア・人生のパートナーとなる1冊に

――初回出荷分は300冊ですでに多くの予約が入っているそうですが、その300冊が売り切れた後も購入できますか?

はい、いつでも購入できます!発売日が11月15日(水)で、その日までに予約をいただいた300冊分までは発売直後に発送するので、12月から使いたい方は早めにご購入ください。

ただそれ以降も販売はしていますし、注文していただいたら順次発送します。この手帳は今年の12月始まりなのですが、再来年の春まで使えるようにしています。いつ買っても、活用していただけますよ。

――「編集者のための〆切手帳」の購入を検討中の方に、メッセージをお願いします。

「編集者のための〆切手帳」を、皆さんの“戦略参謀”として隣に置いていただけたら嬉しいです。

僕は手帳のことを、人生と向き合う時間を作ってくれる存在だと思っています。集めた情報を整理して、キャリア設計や人生設計に何か気づきを与えてくれるものだと。きっとこの手帳も、あなたを支える1冊になると思います。今後も毎年販売したいと思っていますので、ぜひよろしくお願いします!

「編集者のための〆切手帳」購入ページ

TEXT:シモカワヒロコ

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