「イエモネ」ってどんなメディア!?編集担当にインタビュー

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取材日:2020年7月
この記事はライターマガジンVol.2掲載の記事を転載したものです。

 成城石井、カルディ、イケア、ダイソー、コンビニスイーツなど女性のテッパンを押さえつつも、ありきたりとはちょっと違う。ヒット記事を生むユルくて誠実なコンテンツ制作のこだわりとは。暮らしと自由をテーマにした家中(イエナカ)情報メディア。高級スーパーから100円ショップ、映画・アニメ、家電、お取り寄せ……と女性たちの美味しい・便利・楽しい都会派イエナカ・ライフを応援する。

メディア:イエモネ
キャッチコピー:外もいいけど家モネ〜
メディア設立:2019年10月1日
月間PV:約1400万(外部配信含む)(2020年6月時点)
記事投稿サイクル:約240記事/月(2020年6月時点)
ターゲット層:20~50代の女性
社内での位置付け:広告収益と自社ブランディング
編集部メンバー構成:社内編集1名、社内ライター2名、嘱託ライター20名
運営会社:株式会社オンエア

ツボをつくイエナカ情報100均からスイーツまで

 アイキャッチはピンクのナマケモノ、「外もいいけど家モネ~」のキャッチコピーで楽しいイエナカ暮らしを応援する「イエモネ」。そのビジュアルのユルさとは裏腹に、掲載記事は女性のツボをしっかりついてくる。100円ショップの知られざる便利グッズ、成城石井やカルディの即完商品の再販情報、ハイクラスホテルの限定スイーツ……サイトに入ったが最後、ズルズル読み続けてしまう。ステイホーム期間には定番スーパーの休業状況を即座にまとめ、適宜に更新も。ナマケモノの対極をいく細やか対応で信頼を集めている。

ライターの持ち込み企画が予想外にハネることも

 情報はショップや企業からの提供に加え、ライターの持ち込み企画も。予想外のハネ方をするのは後者で、例えば100円ショップの記事なら「マグネット傘立ての収納アイデア6選」「ボトルラックが名もなき家事を楽にする」など目のつけどころがなかなかユニーク。「世の中の気持ちに寄り添うために、普通に生活することを大事にしている」と編集長。ヒット記事を生むヒントもその辺りにありそうだ。

「イエモネ」編集長へインタビュー

編集長 ナマケモノ氏

ヒット記事の傾向は

 新商品や再販情報はショップのプレスリリースに加え、広報の担当者から直接ネタが提供されることもあります。固定ファンが多いショップの記事はPVも安定して伸びますが、意外だったのは再販情報の反響です。モノが飽和している時代なので手に入らないアイテムへの関心は薄いのかと思いきや、即完売商品の再販ニュースは毎回確実に大ヒット。「完売する商品」というプレミア感が興味の対象になっているように感じます。

 ライターさんの提案に支えられているのが100円ショップ関連の記事です。編集部が見逃している便利グッズを発掘してくれるし、使い方の提案も面白い。当たると初動で数万PVにまで到達し、「100均の商品記事がこんなに喜ばれるなんて」と驚かされることも度々あります。

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早ければいいとも限らない情報アップのタイミング

 記事の内容と同じくらい重視しているのが情報出しのタイミングです。ニーズの先読みは大切ですが、早すぎると興味を持ってもらえません。一歩先でもまだ早すぎ、半歩先ぐらいがちょうどいいというのが私の感覚です。ニュース系は他サイトも同じ情報を持っている場合が多いですが、これも早ければバズるとも限りません。速報として出す方がPVの伸びるメディアもあれば、「明日から予約スタート!」と前日に出す方が喜ばれるメディアもある。どのタイミングで出せばコアな読者が喜んでくれるかを常に考えながら慎重に判断するようにしています。

ヒットメーカーになるWebライターとは

 これまで紙媒体や他のWebメディアで多数のライターさんと仕事をしました。個人差があるのが大前提ですが、紙とWebのどちらを主戦場にしてきたかでそれぞれに違う強みがあると感じています。紙媒体で経験を積んだライターさんはとにかく文章の基礎力が高い。印刷という間違いが許されない媒体の特性もあって、情報の拾い方や言葉選びが丁寧で、真面目なインタビューなども任せられる安心感があります。他方、Web出身のライターさんは感情を乗せたクリエイティブが上手です。ブログやSNSなどで「好き」「楽しい」を発信することからライティングの世界に入っているので文章に主観があり、画力のある写真撮影も含めてワクワク感が伝わってきます。情報を正しくわかりやすく伝える文章力と、共感を誘い読み手の感情を揺さぶる自由な表現力。紙とWebの特長をいいとこ取りできるライターさんが今後いろんなメディアで重宝されるのではないでしょうか。イエモネでも、そういうライターさんがやはり頭一つ抜けたヒットメーカーです。

スゴ腕なのか、名前通りか……?“中の人”が変わるナマケモノ編集長

サイトのトップ画面で迎えるピンクのナマケモノが「イエモネ」の編集長(という設定……)。今のところナマケモノよろしく担当業務は取材対応ぐらいだが、今後は編集長を主役に立てたコンテンツを展開予定。

心掛けていることは

 私たちが大切にしているのは「日々世の中の気持ちに寄り添うこと」、そして「家にはおこもりするけれど、心はおこもりしないこと」。イエモネの9割近くは今すぐ役立つイエナカ情報ですが、残りの1割では心が自由であるための提案として、海外在住のライターさんによるスローなニュースや現地のライフスタイルを紹介しています。PVに直結する記事ではありませんが、情報を消費するだけではなく、いろいろな考え方や文化を知ることで世の中をもっと楽しめるきっかけになればいいなと思っています。

TEXT:井上 久美子

ライター募集中

イエモネでは、ライターマガジンを見た人のみ2020年11月末まで受付中。
以下のメールアドレス宛に、履歴書と代表的な執筆記事をお送りください。
writer@iemone.jp
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