• ホーム
  • WEB MEDIA GUIDE
  • 「中川政七商店の読みもの」ってどんなメディア!?編集担当にインタビュー

「中川政七商店の読みもの」ってどんなメディア!?編集担当にインタビュー

連載 WEB MEDIA GUIDE

連載へ

取材日:2021年3月
この記事はライターマガジンVol.5掲載の記事を転載したものです。

 日々の生活を豊かにしてくれる工芸品。その生産背景や使い方を写真と共に伝える。読めば、暮らしに工芸品を取り入れたくなる。そんな記事に出会えるメディアだ。享保元年(1716年)、奈良で創業した中川政七商店が運営するメディア。2016年11月に設立した「さんち」を2020年11月に移行。工芸や産業観光、豊かな暮らしに関する記事を掲載している。

メディア:中川政七商店の読みもの
キャッチコピー:日本の工芸が教えてくれる 暮らしかた、生きかた。
メディア設立:2020年11月(2016年11月設立の「さんち」より移行)
月間PV:約40万PV/月(2021年3月時点)
記事投稿サイクル:約10記事/月(2021年3月時点)
ターゲット層:工芸に関心のある層、産業観光に関心のある層、暮らしを豊かにすることに興味がある層
社内での位置付け:ブランディング、集客
編集部メンバー構成:単体の編集部はなく、コミュニケーション戦略を担っているブランドマネジメント室内に編集機能を設けている
運営会社:株式会社中川政七商店

工芸品を扱う中川政七商店が運営する読みものメディア

 「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げ、日本の工芸をベースにした商品の企画製造、直営店やオンラインショップでの販売をしている中川政七商店。日々の暮らしを豊かにしてくれるアイテムの数々は、眺めているだけでも気持ちが華やぐ。

 そんな中川政七商店が運営するメディア「中川政七商店の読みもの」では、ショップで取り扱っている工芸品の職人インタビューや産地を訪れた取材記事、プロに聞く商品の使い方紹介記事など、工芸品を切り口にした多様な記事が掲載されている。文章に添えられた美しい写真も印象的だ。

 中川政七商店の読みものが設立されたのは2020年11月。前身となるメディア「さんち」から移行する形で設立された。さんちはその名の通り工芸や産地に関するメディアだったが、移行後はテーマを広げ、暮らしにつながる記事が増えている。

 メディアのキャッチコピーは「日本の工芸が教えてくれる 暮らしかた、生きかた」。美味しい日本茶の淹れ方や包丁の研ぎ方など、案外知られていない暮らしにまつわる豆知識を、工芸品を通して知ることができる。

「中川政七商店の読みもの」編集担当へインタビュー「日本の工芸を元気に多角的な切り口の読みものを作成。」

ブランドマネジメント室 編集 上田 恵理子氏のプロフィール
株式会社中川政七商店ブランドマネジメント室・メディア編集担当。入社3年目。前メディア「さんち」の引き継ぎから加わり、読み物記事を主に担当。この1年はブランドマネジメント室に所属し、編集業務に特化して取り組んできた。

記事に共感した「その先」行動につながるメディアに

 長年、工芸と関わってきた中川政七商店。日本の工芸を元気にするために、記事を通じて知識を得た読者が商品を購入したり産地に足を運ぶなど、実際の行動につながることを目指しながらメディアを運営しています。

 前身となる「さんち」は、読者に日本の工芸と産地を知っていただくことを主な目的としたメディアでした。中川政七商店から独立した存在として運営しており、オンラインショップへの接続もしていなかったのです。ただ、記事に共感してくれた読者が「この工芸品を使いたい」と思ったときには、中川政七商店と紐づいていた方が便利です。商品ページや産地ツアーなど当社の他サービスと記事を連動させるため、「さんち」から「中川政七商店の読みもの」へと移行いたしました。

世界にたった2人の職人がつくる伝統コスメ。伊勢半本店の「紅」

さんち時代に公開された直後から大きな反響を呼んだ記事。取材先から「記事を読んだ訪問客が多く来ている」との報告も。今でもSNSで拡散されることのある人気記事。

編集部はありません

「中川政七商店の読みもの」には、専属の編集部がありません。編集機能を有しているのは、会社のコミュニケーション戦略を担っているブランドマネジメント室。編集部がないため、編集長も存在していません。

 独立した編集部を設けていない理由は、店頭やオンラインショップと連動させながら企画を考えているためです。ある商品に対し、どうすればお客さまに届けられるのかを考える。そのステップを踏まえ、「オンラインショップではこんな特集を組もう」「これは読みもので記事にしたほうが魅力を伝えられる商品だから記事を作ろう」と全社でコミュニケーションを取りながら方針を決定しているのです。

 企画は、いつも「伝えたいものづくりがあるか」から始まります。制作現場の見学から「面白い!」と盛り上がり記事化が決まることも。現在は商品自体の魅力を伝える記事の他、工芸のある暮らしの魅力を伝えるような記事の制作も試行錯誤中。連載記事も増やしていきたいと考えています。

外部ライターの付き合いは前メディア時代から

 現在、主にメディアに関わっているのは社内の編集・ライター4名、外部ライター5名です。外部ライターは、前メディア時代からの付き合い。5名の他、取材が発生したときにお願いするライターさんたちとの関わりもあります。

1記事だけでお付き合いが終わるより、一緒に長く仕事ができる方がいいですね。内部メンバーは工芸の知識がある分、時にニッチに偏りすぎてしまうことも。客観的な視点で率直な意見を出してくださる外部ライターさんたちに感謝しています。

目指すは工芸の関係人口増

 当社のビジョンは、「日本の工芸を元気にする!」。そのビジョンを実現するため、工芸の関係人口を増やしたいと思っています。そのため、PV数が多ければいいのではなく、ECサイトを含むサイト回遊率を重視。今後も読者の方に共感してもらえる記事を作成していきたいです。

見ただけではわからない魅力を伝えるのが記事の役目

ワイングラスに学んだ有田焼の酒器。こだわりを知ることで魅力が増す一品だ。メディアで紹介する意義は、ここにある。(https://story.nakagawa-masashichi.jp/141049)

現在、ライターは募集しておりません
この記事を書いた人

「喜んでもらいたい」が聞く・書くの原動力

卯岡若菜

卯岡若菜

ウオカワカナ
ライターの情報はこちら

あなたにおすすめの記事