みんなの「ライターネーム事情2025」アンケート結果レポート
本名で信頼を勝ち取るか、創作ネームで自分をブランディングするか。本名をライターネームにするとしても、漢字、ひらがな、カタカナのどれがいいのか。
表記ひとつとっても、クライアントに与える印象は変わります。SNSでは「本名がいい」という説もありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
そこでライター研究所では、ライター研究所メンバーとXを通じて発信したところ、合計39件の回答をいただきました。今回は、そのアンケート結果と公開イベントの考察を踏まえ、意外と深いライターネームの実情をお届けします。
ライターは「本名」派が4割。ペンネーム派を上回る
まず質問したのは、『執筆時に使用している名前の種類』。
アンケートの結果、1位「本名」が全体の4割を占め、僅差で2位「ペンネーム」3割と続きました。本名とペンネームを使い分ける「併用」派、本名をベースにしつつも表記を変えている「ほぼ本名(ひらがな・カタカナ・アナグラム等)」派も一定数存在。媒体ジャンルに合わせて、自分のキャラクターを使い分けているライターも少なくないようです。
- 成り行き上。ただ漢字でいくかひらがなにするかはいまだに迷っています。
- 初めは、ほぼキラキラのペンネームを使っていました。あるとき東京にいる知人から、そのペンネームと同じ名のニューハーフヘルス嬢がいると聞いて、調べたら本当にいました。以来、ペンネームを封印して本名で活動しています。
- 特に何も思い浮かばなかったのと、会社員時代の仕事の続きがあったこと。何より、自分ごときがペンネームを使うなんて思いつきもしなかった。
- 初期の頃に紹介してもらった出版物に挨拶した時、面接みたいな気持ちだったので職務経歴書とか持って本名で行きました。その後、奥付けに名前が載ったりしたので、そのまま本名できた感じです。
- 名前を使い分けるのが面倒くさい、取材メインだと本名で活動したほうがいい。
- 親が付けてくれた名前に誇りを持っているから(独立した21年前に確信した)
- 医療記事を扱う、信用・信頼のため。
- ペンネームを使用していたこともあるが、自分がしっくりこなかったため。
- もともと記者だったので、本名で活動していたから。
- 銀行口座や契約書など本名を使うことが多いため。
- フリーランスなので本名を隠す必要がない。
- 会社員時代に副業ライターをしていてその延長で独立したので、ペンネームを付けるという発想がなかったです(最初はSEO記事の執筆とかだったので、作家性がないというか…)。あとはクライアントさんや取材先と電話でやり取りするときがあるのですが、仕事用のスマホがなく私用と仕事用が同じ番号なので、急に誰かからかかってきたときに私用の連絡か仕事の連絡か分からずにとっさに名乗れなくて困りそうだからというのも大きいです。
- 旧姓使用。独立前からビジネスネームとしてずっと使用してきたもので一貫したキャリアの連続性やアイデンティティとの関係から。
- 会社員時代の仕事の続きがあったため、旧姓をそのまま利用。旧姓の名字を残したかったのもある
- プライバシー保護のため(子どもに本名で活動することを反対されました)
- プライバシー保護。家族を世間に晒したくない
- 出だしが副業だったため身バレ防止に。今はブランドが確立されてきたので、そのまま使っています!
- 時代的に「ネットに本名を載せるのは非常識」という価値観が一般的だったこと、私自身、自分の顔と名前を売りたいわけではなかったことから、何の実績もない状態で本名を晒すことに抵抗感があり、ペンネームを付けました。
- 本名に変えるメリットや必要性がないから。
- 名前を変えてから雰囲気も仕事の幅もすんごい変化した方がいて「どうしたの?」と聞いたら「凄腕の占い師にペンネームをつけてもらった」とのことで、その先生を紹介していただきました。私はすでに本名である程度実績を積んでいたため、最低限の変更で運気が向上するように、名前をつけていただきました。本名の最後の1文字だけ変えています(読み方は本名と同じ)。
- 自分の性自認がよくわからないのと自分が活動したいジャンルが男社会の傾向があったため女だとわからない名前にしたかった。
- 編集者さんに気兼ねなく編集していただきたいからです。実質、捨てアカウントのようなペンネームにしています。
- 覚えてもらいやすいよう、ちょっとフックのある名前にしたかった。
- 過去に人から虐げられた経験を持つので、非公開。
- タレントのインタビューが多いため。
- 本名があまり好きではないので……
- 他のライターさんに同姓同名の人がいた
- 昔から使ってるからなんとなく。
検索性orギャップ?知られざる私のペンネームストーリー
ペンネーム派の人に「ペンネームの由来」の設問を用意したところ、現在の名前に辿り着くまでのさまざまなストーリーが見えてきました。
- 本名と、知人の子どもの名前を足した
- 当て字
- 下の名前は本名です。苗字は姓名診断(画数診断?)で決めました笑
- 旧姓
- ある日、ライターの師匠から四条のサイゼリアで「あなたはギャップのある名前の方がウケる。明日からこのペンネームで活動しなさい」と言われたので。
- 占い師さんに見ていただいたら、「基本的にいい名前だけど、最後の1字が足を引っ張っている」とのことだったので、その字を変えていただきました。読み方を変えずにすむ漢字を「11画か13画」と画数で選んでいきました。が、よい漢字がなかなかなく、少し当て字っぽくなってしまいました。
- 自分の好きな熟語から
- 尊敬する人につけてもらいました。好きな花と好きな場所をヒントに考えてもらいました。
- 正直、深く考えていませんでした。
- 屋号はすごく考えましたが、ペンネームは昔遊んでいたMMORPGのキャラクター名をそのまま持ってきています(呼ばれ慣れて、しっくりしていたため)。
- 3つぐらい意味があります。検索したときに自分しかでてこないかとかも確認しました。
- 語呂の良さ・読みやすさ・自分の名前に近いもの、当時のターゲットの関係で、子ども向けキャラクターをもじりました。
- 3文字の苗字に憧れがあったから。猫好きをフックに話を広げられるし「◎子」という形式で女性名っぽい響きがあるのもよかった。そんな私は二階堂ねこです。お世話になっております。
- 実在しそうかつ、女性というのが分かる名前であるため。
- 好きな漫画の3番目に好きなキャラクターをもじって。
- 本名のアナグラムです。
- 本名っぽい響きの姓名をてきとうに付けた。
- 従来の愛称に出生年を足してる。
イベント参加者からは「好きな漫画の3番目に好きなキャラクター……なぜ1番じゃないんですか(笑)」「自分の名前も戦略的にアナグラムにしておけばよかった……!」といった楽しいコメントで盛り上がりました。
本名・ペンネーム論争の結論「好きにしてOK!」
最後に「本名・ペンネーム論争について、あなたの考えをお聞かせください」と問いかけると、ほぼ全員が「どちらでもOK」と回答しました。
しかし、その「OK」の裏側を覗いてみると、さまざまな意見があるようです。
1.最終的には、本人の自由では派
- 自分のやりたいようにするのが一番。何があっても責任を取るのは自分。
- 正直どうでもいい。ただ本名だとエッセイとかで過去の思い出話を語るのは難しいのではないかと思います。
- その人の考えがあって本名・ペンネームを選んでいるので、他人が口出しすることではない。そんな論争をしている時間がもったいない。
- どちらでも良いと思います。本名の方が混乱しない人はそれで良いと思いますし、ペンネームの方が書くマインドが育つならそれも良いと思います。
- あまり論争を意識したことはない。要は成果物のクオリティ。
- 別に個人の好きにしたら良いと思います。結局は何を書くかだと思うので。
- 恥ずかしながら、論争が起きていることを知りませんでした。クライアントに迷惑をかけず、場所に合わせて使用するならどちらでもいいと思います。
- 「本名っぽいのが良い」などとまことしやかに言われますが、外野から言われるあれこれはあまり気にせず、自分の思うようにすれば良いのではと思っています。
2.ジャンル・媒体・文脈で変わる派
- 書く分野、ジャンルで見え方が異なるかなと思います。基本的に本名っぽいほうが使いやすいかなと思いますが、エンタメやゲーム系のような世界はインパクトも大事かと!その後本名よりもよく呼ばれる可能性もあるので、自分の気に入った名前にするのが一番だと思います!
- どっちでもOK。ただ、ライトなお名前にされている方には、硬い媒体の時とかどうされるんだろうという疑問はあります。二重で名前があるとかめんどくさくないのかな?とかいう素朴な疑問はあります。
- 活動媒体の分野やジャンル、ご自身の強みやカラーによってはペンネームのほうが合うこともありそう。エンタメ・カルチャー系のライターであればインパクトのあるペンネームとか。その中でもあえて本名でいくとか差別化、使い分けできそう。
- どっちでもOK。ただ、ライトなお名前にされている方には、硬い媒体の時とかどうされるんだろうという疑問はあります。二重で名前があるとかめんどくさくないのかな?とかいう素朴な疑問があります。
3.安全、プライバシー意識派
- 特に若い女性やお子さんのいる方は、安全上、ペンネームで全然問題ないと思います!
- 昨今ではSNSアカウントも匿名とは言えず、ちょっと目立てば個人情報との紐付けも全然できてしまいます。ペンネームで積み上げた信頼はペンネームを変えれば消えてしまうため、「名前を大切にする必要性」は本名でもペンネームでも変わらないと思っています。
- 本名のほうが覚えやすい傾向はあるかと思います。しかし、実感として「ネットにいる人の名前」が最も印象に残るのは、炎上したときです。SNSでミソジニーが過熱気味になっている傾向を見るに、女性には危険じゃないでしょうか。自分の友人や娘であったら止めると思います。
- ちなみにネットで私の名前を検索すると、私を名乗る知らない女性の写真が出てきます。あれはかなり嫌です。誰だよお前。
4.実務目線派
- どちらでも良いですが、大事なのは可読性とか視認性、あと変換のしやすさ?かなと思いますね。おしゃれだったり思い入れがありそうだったりする名前の方はよく見かけますが、読めないし、クライアントさんや紹介してくださる方がテキストで打つとき大変そうだなあ…と失礼ながら勝手に思っています。
- ペンネームで活動される方の中には、名刺に本名を併記している方も多く、これはクライアントにとって安心感につながる(逆にペンネームだけだと不安?)のではと思います。
- 本名でもペンネームでもどちらも抵抗はまったくない。でも、ペンネームつけるなら、苗字+名前形式がおすすめとは思う。下の名前だけみたいなのだと、たくさんいすぎてちょっと覚えられないし、ハンドルネームのような片手間感があってちょっともったいない。どうせペンネームつけるなら、インパクトと個性のある覚えてもらいやすい名前にしちゃうといいのでは。ただ、結局そのうち本名になる人も多いので、最初から本名のほうが潔くていいかもしれない。
- 個人的には使い分けだと思います。基本的には本名を使い、本名だと支障が出る可能性のある活動(インフルエンサー的な要素があるとか)では、ペンネームにするなど。あとは、本名をもじってセンスあるペンネームになるなら、それでも良いと思います。自分の場合はもじってもしっくりこなかったので。
5.本名のほうが信頼できると思う派
- 本名公表して発言に責任持つことは大切だと思います。
- 作家やエッセイストならわかりますが、ライターがペンネームを使用する理由がいまいちわかりません。なぜわざわざペンネームを使う必要があるのでしょうか?
- 古い考え方かもしれませんが、本名の人に比べて、信用度が低いと感じることも多いです。また、お名前によっては、お仕事の紹介など難しいな…と感じることもあります。
- 本名での活動が信頼感があると思います。一方、やむを得ずペンネームを使わざるを得ない方もいるため、(例:山田一郎)が信頼感が得やすいので名前に近いペンネームでもいいと思います。
6.ライターネームでブランディング派
- ペンネームを使い分けられたら便利だし、公私の区別につながる。あと、字画のよくない場合などもいいと思う。
- 本音を言えば(例:山ちゃん)みたいにニックネームや(例:ららこ)みたいなオリジナリティー溢れる名前を記名記事で使ってみたいです。
- 私は本名で活動する気はありません。たまたま付けたライター名が、他に被る人がいませんし、ネットの検索でも私しか出ませんし、名前も覚えて頂きやすく、差別化の面でも良かったのかなと思います。
- 身を守る術の一つだと思いますが、その効力には大小あると思います。ブランディングへの影響力も、その人によると思うのです(本名の方が信頼感あると思いますが、ペンネームでも一定の認知や信頼を得ることは可能)、よくも悪くも言えません。。
- 認知度さえあればペンネームのほうが強い一面もあるので、わかりやすいペンネームを作りたいと思うこともあります。
- ペンネームを名乗っている間は仕事モード、それ以外はプライベートモードと切り替えがしやすい。ペンネームを持つことでライター1年目でも「初心者なので」と自分に言い訳する気持ちが消えて「自分はプロのライターだ」という意識を持つことができた。また、やはり日本ではまだまだ女性が本名を出すことで下に見られるリスクがあるように思う。こうした理由からペンネームでの活動を支持したい。
可読性や紹介のしやすさが大事」と実務目線で考える人もいれば、「認知度さえあればペンネームのほうが強い」とブランディング目線で考える人も。それぞれの視点の違いが濃く現れてる項目だと感じました。
ライターネームは、看板であり道具でもある。
今回のアンケートから分かったのは「ライターネームにはスタンダードがない」ということです。大切なのは、自分が掲げる名前でどう振る舞い、どう仕事を積み重ねていくかだと思います。もちろん、自分の環境やフェーズに合わせて、見直したり、使い分けたりすることもできます。
本記事が、ご自身の名前や働き方を考えるひとつの材料になれば幸いです。