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クイズ大好き知識集団が手掛けるQuizKnockってどんなメディア?
高校生クイズを2連覇し、TBSのクイズ番組「東大王」で一躍有名となった伊沢拓司さん。その伊沢さんが立ち上げたQuizKnockというメディアをご存知でしょうか。毎日クイズが出題されるのはもちろん、QuizKnock所属のメンバーたちの対談や学生さんが気になることを徹底的に探求するレポなど、多種多様な記事が並びます。
今回は、本メディアの編集を担当する株式会社baton Webチームの片山さん、浅沼さん、池田さん、石田さんの4名に、メディア運用にかける思いや記事制作秘話についてお話を伺いました。
楽しければもっと知りたくなるし、知ればもっと楽しくなる
QuizKnockがどのようなメディアか教えてください
片山:Webメディア「QuizKnock」は株式会社batonとQuizKnockのオウンドメディアの役割を果たしています。毎日のクイズ記事、新しい商品が出る際のPR、YouTubeのコンテンツでは紹介しきれない内容を補完する記事などを作成しています。
浅沼:2016年にメディアを立ち上げた際に編集長の伊沢が掲げた「楽しければもっと知りたくなるし、知ればもっと楽しくなる。そんなループの入口になる役割を果たしたい」という目標を、今も守り続けながら運営しています。
石田:読者層としては、10代後半から20代の学習意欲の高い方が多いです。YouTubeコンテンツは受動的に見られるのでたくさんの方が楽しんでくださるのですが、Webメディアでは自分でスクロールして文字を目で追って、と能動的である必要がありますよね。その手間を惜しまない熱心な方たちですね。バックナンバーをさかのぼって、過去のものも含め解いてくださる方もいます。
池田:長めの記事では3〜4分以上も滞在してもらえることもあります。記事を長くした分だけ、時間をかけて最後まで読んでくださる読者の方が多いんです。読んでもらえるという状況に甘えて、記事の内容がどんどん濃くなっていますね。タイパが重視されるこの時代に、ありがたいことです。
どのように収益化しているのでしょうか
片山:ページ内にある黄色い枠のバナーが広告です。その企業を深く知れるクイズを設けています。また、案件記事も収益の柱です。QuizKnockに掲載される記事以外にも最近では、展覧会の図録の一部(美術品などの魅力を紹介するコラム)を制作するお仕事や、小中学生が環境問題を学べるアプリに載せるコラムの執筆依頼などをいただきました。
浅沼:過去には記事の途中に運用型広告を入れていたのですが、今は削除しています。広告によって読者体験が阻害されると考えるようになったためです。読者のみなさんにクイズや記事を楽しんでもらうことを最優先にしつつ、なるべく楽しい気持ちで受け取ってもらえるような広告のあり方を考えています。
良質な読者体験のために考え抜かれたメディア
企画やクイズ内容はどのように考えているのでしょうか
片山:アルバイトの学生ライターによる企画が8割です。私たち社員4名は、企画内容の確認・判断などの編集業務を主に担当しています。(そこにプラス1名、他メディアでの経験も長い編集者の人にアドバイザー的に入ってもらっています)。学生と共同作業してメディアを作り上げているイメージですね。残り2割は編集部で書きたいと思ったものや、社内で読みたいと要望があったものを作成しています。
浅沼:企画は、こちらが指定したテーマに沿って出してもらうこともあれば、自由に考えて出してもらうこともあります。結果として、ライターの専門分野や得意なジャンルを扱う記事や、その時巷で話題になっていることがネタとして採用されるケースが多くなっています。
片山:現在公開している記事数は毎月80記事程度ですが、ライターに「手軽に読めるものを中心に」と注文を出して、月に160記事以上公開していた時期もあります。書き手あっての編集部なので、ライター陣はネタ切れと戦いながら本当によく頑張ってくれていると思います。
みなさんにとって良い記事・メディアとはなんですか
石田:知らないことを突然聞かれてもとっつきにくいですよね。あまりにマイナーなクイズだと興味を持ってもらえません。僕たちが志しているのは「知っているものの知らない部分」を伝えることです。たとえば、アインシュタインはみなさん知っていますよね。「アインシュタインが日本に来たことがあるんだよ」と言われるとちょっと気になりませんか?そのような内容を取り上げた方が読者体験の質が高くなるでしょうし、結果的にPVも伸びやすいです。ほかには、「バナナ」という名前のブドウの品種があるってご存知ですか?とか。このような、知ると学校や職場で披露したくなるようなネタを提供する、生活に寄り添ったメディアでありたいと思っています。
池田:読者のみなさんの貴重な時間をいただいているので、読んだあとに何か一つでも知識を持って帰ってもらえる記事にしようと心がけていますね。また、読んでいて楽しい記事にしなくては、と思っています。
浅沼:たとえば、「博士課程になぜわざわざ進学したのか」などの、学生ライターだからこそ書ける実体験を元にした記事を提供できているのもWebメディア「QuizKnock」の良さだと思います。学生の方にこういった記事を読んでいただき、進路を考えるうえで何かヒントを得てもらえると嬉しいですね。また、クイズを研究対象としている方に取材し、記事にしたことがありました。その後、その方が若手研究者向けの賞を受賞して「あの記事のおかげで自分の研究や活動を知ってもらえました」と言ってくださって。良い記事を作れたな、とうれしい気持ちになりましたね。
知識集団の名に恥じぬ、ファクトチェックへの強いこだわり
伊沢さんの記事はご本人が書いているんでしょうか?
石田:そうです。「低倍速プレイリスト」は私が編集担当をしています。伊沢はバンドを組むくらい音楽好きで、今まで聴いた古今東西の曲から「これはネタになるぞ」というものを見つけてきて、深くおもしろく記事を書いてくれます。企画からすべて伊沢が考え、執筆もしてくれるので、編集業務としては画像を追加してわかりやすくする程度ですね。アーティストさんご本人に記事が届き、おもしろいと記事が拡散されたこともありました。
池田:オフィスで仕事をしていたら、隣の席で伊沢がずっと紙を裁断していて。「何に使うのかな?」と思っていたら、記事の内容を実証するための準備をしていました。編集長としてのこだわりが垣間見えますね。
記事制作に関して、苦労している点を教えてください
片山:メディア立ち上げ時の伊沢の「ファクトチェックが甘い世の中の記事に対抗したい」という思いを今も守り、企画から公開までかなり時間をかけています。企画から公開まで数ヶ月かけることもありますね。時事問題の記事などスピード感が求められるものであっても、ライターには出典の提出を義務づけ、チェックを通した上で世に出しています。
石田:SNSでよく耳にするような雑学について徹底的に調べていたら、嘘だったということもありました。インターネットの情報の真偽を見定めるのが難しいこともありますね。
池田:「この企画は当たるのだろうか」と毎回とてもドキドキします。1つの記事に1ヶ月に渡ってかなりの工数をかけたのに、成果が出なかったらどうしようと。記事制作中はずっとドキドキしているかもしれません。記事を公開するときは、子どもを旅に出す親の心境になります。『8番出口』というゲームが流行ったときにそれをモチーフにした記事を出したのですが、本当に思いつきで作ったのと工数が思ったよりかかっちゃって。結果100万PVを超えたので一安心だったのですが、この記事が1番ドキドキしました。
さらに、読者に満足してもらえる記事を追求
最後に、今後の抱負を教えてください
片山:「このままでは本メディアは埋れてしまう」と危機感を抱いています。YouTubeがコンテンツとしてどんどん力をつける中で、Webメディアで提供できる価値はなんだろうと考えています。同じQuizKnockでも、YouTubeとの差別化が必要ですね。そのために、企画の幅を広げなくてはいけません。これまで以上に学生ライターの強い個性が十分に発揮されるコンテンツを作りたいですし、学生に限らず意欲的な書き手を獲得したいと思っています。より具体的には、今はクイズをサクッと解けるような記事が多いのですが、読み応えのある「読み物」路線の記事を増やす予定です。今の記事を楽しんでくださっている読者のみなさんを大切にしつつ、1本の記事で誰かの心を揺さぶれるようなWebメディア「QuizKnock」ならではの発信を目指していきます。
キャッチコピー:楽しいから始まる学び
メディア設立:2016年10月
月間PV:400万PV/月(2024年8月時点)
記事投稿サイクル:80記事/月、1000記事/年(2024年8月時点)
ターゲット層:好奇心の強い若年層
運営会社:株式会社 baton
Webサイト:https://web.quizknock.com
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TEXT:ゆう