ライターのビジネス環境ツール事情。サブスクからAI活用の現状まで聞いてみました!
AIツールの普及で業務の効率化が進む一方、どのツールにいくら投資すべきかと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで、ライターマガジン編集部では、Xの皆さんとライター研究所のメンバーを対象に「ライターのビジネス環境ツール」のアンケートを実施。今回は、寄せられたご意見のなかからサブスクの利用状況と、AI活用の現状を中心にご紹介します。
AIが多いと思ったら「Microsoft365」を使っている人が6割以上
業務で利用している有料サブスクの利用状況について、上位はAI系が占めると思いきや、実際には6割以上の人が『Microsoft365』を使っていると回答。次にAI系ツール『ChatGPT』やクラウド系『Google Workspace』が続く結果になりました。
予想外の4位にランクインしたのは『Canva Pro』。アイキャッチや登壇資料の作成、ポートフォリオの作成に活用する人が増えているという意見も。執筆×簡単なクリエイティブを掛け合わせ、能動的に仕事の幅を広げているライターの実態が見えてきました。
サブスク利用額は3000円から3万円以上まで幅広い
便利なツールが増えていくに連れて、毎月の固定費は膨らみがち。月々のサブスク利用額を聞いたところ『3000円』『5000円』『1万円』『3万円』の各ゾーンで2割ずつ、均等に分散する結果になりました。そこで気になるのが「本当にすべてのツールが本当に必要なのか」といった点です。
内容を深掘りするため「解約したいけれど、やめられない有料サブスクはありますか?」と質問したところ、クライアントとの円滑な取引や年間契約のタイミングなど、個人では判断できない事情があることが分かりました。
一部コメントを抜粋して紹介します。
- Microsoft365:WordとExcelのためだけに2万円超って!でもお客さんがみんな使っているので泣く泣く払っています。本当に辞めたい。
- Chatwork:クライアント都合で使わざるを得ないから。
- Notta:ほかの文字起こしツールの方が性能が良くなっているようだが、年間契約しているのと、音声データのアーカイブになっているのとでやめられない。
- Zoom:使わなくなったので年間契約をやめようと思ったが、日付を間違えていて更新されてしまった。
- Claude:年間契約してしまったので辞められません。
- ChatGPT:Geminiと比べるとハルシネーションが激しく、雑談相手にしかならない。ただ、壁打ち相手にはまあまあ優秀なんだよなあ……。でもそんなに頻繁に壁打ちしないしな……と思いながら課金を続けています。
- iCloud:データを整理すればやめられると思うが、後回しになっている。
- 文賢:機能をあまり使いきれていないかも…。
- 写真AC:画像選定の案件がない間は契約していても無駄になる。ただ、料金が安かったころに契約をしているため、解約して再度入り直すと高くなってしまう。
- Dropbox:MicrosoftやGoogleにストレージがおまけでついてくるので、わざわざ入れなくてよかった。でも、年間払っちゃったし、めちゃくちゃ利用しているので代えたくない。
- 波情報アプリ:年会費6000円くらいで安くないのですが、天気の変化がいち早くわかるので、低気圧頭痛が来る前に仕事を終わらせよう!と仕事の予定を立てるのに役立ってます。
このほかにも「セキュリティ要件が厳しい企業ではMicrosoftのアプリしか使えない」「日本人モデルの画像が必要な場合は写真ACがほぼ一択」といった声も寄せられました。
AIは企画・構成案の壁打ち相手として定着
ライターが今積極的に活用しているAIツールについても聞いてみました。
利用率はChatGPTが圧倒的に高く、次にGoogle Gemini、Claudeが続く3強時代であることが分かります。AIツールを複数契約し、ニーズに合わせて使い分けている人が多いのかもしれません。
AIの主な用途を聞いた結果、1位『構成案・企画出し』、2位『原稿のたたき台作成』『誤字・文法チェック』、3位『タイトル・見出し案の生成』という結果に。企画や構成などの執筆前と、文法チェックや誤字など最終確認の両面で、AIを使いこなしている様子がうかがえます。
「どこまでAIに任せるか」は個人差がありますが、最終的な判断は人が行い、AIは補助ツールとして活用する方法が定着しているようです。
「これは便利!」と感じたAIの活用術
実際の使い方を尋ねると、効率化のヒントの詰まった声が集まりました。
【文字起こしの効率化】
- Nottaでも文字起こしした音源を、copilotでインタビュー原稿のように整理しています。作業時間が大幅に減ってとてもたすかっています。
- xarisの文字起こしは、文脈に合わせて誤変換を調整してくれるので、かなり精度の高い文字起こしができて便利です。
- NotebookLMでも精度の高い文字起こしができましたが、アウトプットの質にばらつきがあり、UXの点でもうちょいといった感じです。
- 文字起こしのケバ取り、整文。取材記事のたたき台作成。
- Nottaで文字起こし後の要約
- 要約です。3000字以上の原稿は冗長になりやすいし、粗が目立つけれど、インタビューを「200字にまとめて」とかは、下案づくりがかなり早い。全部手作業だと削るのに時間がかかるので、ショートカットできています。
- お話しが下手な人のテープ起こしの要約
- Google AI Studio(Gemini)を使った文字起こし。精度はかなり高いです。ただし、途中の会話を勝手に数分すっ飛ばすことが頻繁にあるので、完全に信用はできません。
【notebook LMの活用法】
- notebook LMが原稿作成に使いやすい。 こちらが指定したソースからのみ必要な情報をまとめて取り出してくれて、引用元も指定してくれるから。プロンプト次第で原稿の叩き台まで作ってくれることがわかって、さらに使いやすくなった。
- 複数のデータをNotebookLMに放り込んで情報整理しています。 文字起こしから該当部分の言い回しを探させるなど。
- 音声確認などのダルい部分はAIに任せ、構成と文章作成みたいな楽しいところは自分でやります。
【リサーチや大量の情報整理】
- Notebook LMへ大量の資料を読み込ませて、分かりやすく解説させてからインタビューの質問を作り、インタビューに伺った。
- 企業の統合報告書や有価証券報告書をAIに読ませ、分かりやすく解説してもらった。 後で企業のインタビューを作った。
- Web サイトを丸ごと執筆する時にライバル社のウェブサイトを分析させ、それを元にページの台割案を作った。
- 会議の議事録を自動生成させ、打ち合わせのメンバーに共有した。
【アイデアの壁打ち、文章の指導】
- キャッチコピーの叩き台を作ってもらい、それを元に自分なりに改変したキャッチコピーを提案した。
- 自分が勉強したいと思ったライターの文章をAIに学習させ、その後で自分がそのライターの文章も放した(※入力した)。 文章書きどれくらい似通っているか、どこを改善すべきか指導してもらった。
【画像生成関連】
- 写真の一部を円形に切り抜くといった簡易な画像編集。画像編集ソフトを立ち上げずに済むので助かる。
- 画像をアップロードして背景やシチュエーションを指示するとそのとおりに変えてくれる。例:商品画像をアップしてその背景を指定すると自動的に商品が「それっぽい背景」の画像に変わる。
- 画像のイラスト化
- まだ使いこなせていないが画像生成
- PDFのデータから直に表を作表、など。
【読めない文字や音声の解読】
- 原稿に手書きされた赤入れの中にあった中国語が読めなくて困ったときに、「中国語で、こういう記事に入れている単語で、意味としてはこんな感じ。で、左の部首はコレ、右の部首はコレなんだけどなんていう字かな?」って聞いたことがあります。ちゃんとぴったりなやつが出てきました。
- 文字起こしでどうにも聞き取れない言葉があり、同系の取材でどういう会社の人で、絶対今出る単語じゃないけど○○って言ってるように聞こえなくて、それに近い業者や表記の言葉でこの業界に近い単語ってなんだろう」って聞きました。これも意外とちゃんと出てきます。固有名詞だとダメですが、業界特有の言い回しは結構出ますね。
【クライアントの分析】
- リモートxテキストメッセージが主なコミュニケーション手段で、性格や価値観がよくわからないクライアントの分析。これがけっこう的を得ているのですが、使いすぎると人間として大事な感覚を失ってしまいそうなので、ほどほどにするよう自制規制はしています。
【その他】
ツールとの付き合い方は人それぞれ
今回はアンケートに寄せられた、ライターのサブスク利用状況とAI活用の現状を中心に紹介しました。ツールとの付き合い方に正解はありませんが、みなさまの参考になれば幸いです。