「喜んでもらいたい」が聞く・書くの原動力

取材日:2022年10月
この記事はライターマガジンVol.7掲載の記事を転載したものです。
つみたてNISAやiDeCo、FIREブームや老後資金2000万円問題。言葉だけは知っている、そんな知識のない層が興味を持つきっかけとなり得る記事を発信しているマネー&ライフメディア。30〜40代の資産形成に関心のある層に向け、入門レベルの記事からお金に関するニュース解説記事などを発信している。
子どもの教育資金や自分の老後資金など、お金に対し漠然とした不安を抱えている人は少なくないだろう。つみたてNISAやiDeCoの存在を知りつつも、いまいちよく分からず手を付けられずにいる。そんなお金や資産形成についての知識がない人に向けて情報を発信しているのが「LIMO(リーモ)」だ。
キャッチコピーは「くらしとお金の経済メディア」。メディア名は「LIFE&MONEY」に由来しており、マネー・ビジネスといったザ・お金ジャンルの記事の他、ファストファッションブランドやスーパーマーケットの最新情報、子育てイラストエッセイなど、ライフジャンルの記事も掲載されている。
メディアの肝である資産形成は、特集記事として日々更新。投資信託の見極め方や投資の始め方、年金などに関する知識やノウハウだけではなく、「〇代の平均貯金額は?」や「おひとりさまの貯蓄と不安への対策は?」など、気になりつつも周囲に聞けないお金ネタも豊富だ。
さまざまな切り口の記事が用意されているため、資産形成に関心の薄い人が興味を持つきっかけにもつながるメディアだ。
「LIMO」の設立は2015年。当初は「投信1」と名乗り、投資信託について取り上げるメディアでした。今から資産形成を始めるなら、つみたてNISAやiDeCoなど、投資信託が向いていると考え、情報を伝えたいと思ったのです。読者層は投資に興味のある人で、8割が男性でした。女性にももっと読んでほしい。しかし、当時の名前だと女性には読んでもらえないと思い、メディアのリブランディングを検討。2018年にLIMOとして再スタートを切りました。貯金箱でおなじみのブタのイラストをロゴに入れ、親しみやすさを添えています。
編集者や書き手も、男性ばかりだったバランスを調整し、今では女性の方が多くなりました。文体も「で・ある」と硬い調子だったものを「ですます調」に変更し、親しみを持って読んでもらえるようにしました。専門的な記事に抵抗感のある人にも入ってきてもらえるよう、小売系ジャンルなど、日常生活に即した記事も手掛けています。
巷でよく言われることを鵜呑みにした記事ではなく、現場経験者だからこその視点を織り込んだ注意点の解説記事。賛否両論を呼びつつも、読者に新たな視点を与えている。
当メディアの編集者は各自が専門分野を持っています。まず編集者が一度記事を出して反応を確認。読まれそうであればライターに依頼するスタイルを採っています。
ライターに求めるのは実務経験と普通の人の目線。資格だけではなく記事に紐づけられる実務経験が欲しいです。これは何も金融機関の勤務経験だけではなく、転職でも子どもの受験でも冠婚葬祭でも何でもいい。お金と接点のないテーマはないと考えているため、自身の経験を生かしてお金と掛け合わせられる題材をぜひ考えてみてください。また、専門知識をそのまま記事にしても誰も読んではくれません。書き手には、読者が「あるある」と共感できる切り口を見つけ出す一般人目線も求められます。
日本では、お金に関する教育がほぼ行われていません。自分の人生に関わる大切なことなのに、日頃は忙しくて資産形成について考える暇もない。そうこうしているうちに50代になっている……そんな方が多いのが現実でしょう。20年ほどの猶予があれば、資産形成はできる。そのことを幅広い層に伝えたくて、私たちは「LIMO」を運営しています。
現在、晩婚化や高齢出産で子どもの進学と定年の時期が近い方、結婚をしない選択をされる方など、ライフスタイルの多様性が広がっています。自分の人生に合った資産形成をする必要があるといえるでしょう。お金に関心があまりない人であっても、生きていく以上、資産形成は必要です。興味を持っていただけるよう、今後もさまざまな切り口を考えながら、皆さんのくらしの中で役立つ正しい情報を届けていきたいと考えています。私たちと想いを同じくしてくださるライターさんは、ぜひ「これなら詳しい」と言える自身の専門分野をお教えください。
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