ライティングに関わる人に役立つ情報をお届け

取材日:2020年11月
この記事はライターマガジンVol.3掲載の記事を転載したものです。
約600もの職業を網羅し、仕事内容や待遇、仕事への就き方など幅広い情報を発信。圧倒的な情報量と、メディアとしての独立性を貫くフェアな姿勢も注目したい。仕事選びで悩んでいる人に向け、職業情報を提供。その仕事に就くための進路や、仕事内容、待遇、給与などを深掘り。公務員や銀行員から、鷹匠や冒険家といった珍しい職業まで約600の仕事が探せる。
キャリアガーデンのコンセプトは「なりたい」が見つかる職業情報サイト。学生・社会人含め、仕事選びに迷うすべての人に向けた、仕事に関するコラムがメインコンテンツだ。公務員のような知られた仕事から、鷹匠などのレアな職業まで網羅する守備範囲の広さに驚かされる。2012年にローンチされ、当初は100ほどだった職業情報をアップデートしながら約600まで増やした。世の中には多くの求人サイトがあるが、「仕事」自体を知ることに特化したメディアは当時まだなく、いわば先駆け的存在だ。
どんなにすてきな仕事も長所と短所を併せ持つのが実情ではないだろうか。好ましい面だけではなく、給与額や仕事上の苦労など、親しい友人であっても聞きづらい情報も、中立的に発信することがこだわり。収益はすべて広告収入から得ているため、特定のスポンサー企業やPR記事などは一切なく、メディアとしての独立性を保ってきた。何者にも忖度しない姿勢も読者の信頼を集めている。
広告代理店に勤めていた頃、美容室の求人サイト制作に関わりました。多くの美容師さんとお話しすると、「美容師が天職」と生き生き働く方がいる一方、離職率が非常に高いこともわかりました。せっかく学費を掛けて2年間専門学校に通い、夢の仕事に就いたはずなのに、中には半年ほどで辞める方もいます。美容師という職業は、最先端のトレンドに触れる魅力もありますが、やはり仕事ですから適性や苦労もあります。ただ、進路を決める高校生の段階でそこまで知る機会は少なく、美容師以外でも美容に関する仕事は数多くあると教えてくれる人もいません。そこで、誰でも自分で調べられる仕組みがあれば、その人の興味や適性に合った仕事を発見する可能性が広がるのでは、と思いサイトを立ち上げました。
数多くの仕事の中から、テーマに沿った仕事をチョイスして紹介。そもそもやりたい仕事がわからない!という人にも寄り添い、こんな仕事があるのか!という気付きを与える。
やみくもに記事を増やすことはせず、既存記事のリライトを重ねアップデートすることに力を入れています。リライトの目的は「最新情報への更新」「情報量の充実」「情報精度の向上」の3つ。サイトの立ち上げから8年経ち世情も変化していますし、せっかくたどり着いた読者ががっかりする情報量では申し訳ない。また、最初に制作した人とは別のライターがリライトすることでより多角的な視点が入り、記事の情報精度も高まると考えています。
情報の正確性、客観的な記事を書けるバランス感覚、文章のリズム感の良さ。基本的にはこの3つのスキルが必要です。仕事に関する記事は読者の人生を変える可能性を持っています。何かを伝えることに責任とプライドを持って書いてほしいです。
現在は積極的な募集は行っていませんが、編集経験のある方は歓迎します。やはりライターはフィードバックをもらうことで、自らのスキルを高めていくものです。しかし、ウェブの仕事ではフィードバックをあまり受けてこなかったライターも見受けられます。編集経験のある方は、自分の文章のどこが良くてどこが悪いか、客観的に見るスキルに長けていることが多く、実力が担保されている印象です。そして、お付き合いが長く続いているのは受け答えが丁寧なライター。やはり人対人ですから、テキストのみのやり取りでも気遣いがあると嬉しいものです。ちょっとしたことですが、ご縁のある方は細かいところにも気を配ってくれています。
ユーザー投稿型のコンテンツを増やしたいと考えています。仕事のやりがいやワーク・ライフ・バランスなど、各職業で働く人の生の声を反映できると良いですね。既存の記事では客観性、中立性を重視していましたが、今後は主観的なことも取り上げ個性を出していきたいです。
企画やアイデアの持ち込みなど、キャリアガーデンをより良いサイトにしたい、というご提案も歓迎します。
本に関わる16の仕事を紹介した記事。同じ業界で働く人たちの仕事でも、知っているようで知らないことが意外とあると気付くはず。(https://careergarden.jp/column/book-matome/)
TEXT:桑原 由布