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「ROOMIE(ルーミー)」ってどんなメディア!?編集長にインタビュー
連載 WEB MEDIA GUIDE
連載へ取材日:2020年7月
この記事はライターマガジンVol.2掲載の記事を転載したものです。
2012年に創刊し「住環境の充実」「部屋での楽しみ方」にフォーカスしてきたROOMIE。突出したリピート率とサイト内回遊率を誇るインドアライフ提案の本家本元が、令和に意識する「ストレス・キャンセル」の視点とは。部屋やモノについてワクワクしながら読めるオンライン・マガジン。スタイルのある住まいと人、外出をラフに楽しめるアイテムなど、部屋・タウン・アウトドアを波のように「たゆたう」ライフスタイルを提案。
キャッチコピー:MYおうちスタイル
メディア設立:2012年4月
月間PV:約1060万(2020年7月時点)
記事投稿サイクル:約210記事/月(2020年7月時点)
ターゲット層:肩肘張らない生き方を志向する20~30代男女
社内での位置付け:EC・商品開発などを促進し、広告収益とのハイブリッド化
編集部メンバー構成:社内編集4名、社内アシスタント2名、業務委託スタッフ5名、レビューライター約30名
運営会社:株式会社メディアジーン
読めば不思議と欲しくなるレビューのクチコミ感覚
ROOMIEのコンセプトは、MYおうちスタイル。部屋で過ごす時間や日常の小さなストレスを緩和する、機能的で洒落たアイテムを紹介するレビュー記事が特に好評だ。とはいえ、登場するのは無印良品やワークマンなど人気のメーカーが多く、紹介アイテムも部屋着から電化製品まで幅広いものの奇抜さはない。店頭では見過ごしてしまうようなものが、なぜかROOMIEのレビューで見ると欲しくなる。それは買い物上手な友人に「これ、すごく良くてね」と勧められているような感覚に近い。実は、そこに制作のこだわりがある。
紹介アイテム選びは「使ってみる」から始まる
紹介アイテムはライターや編集者がプライベートで購入・使用し、気に入ったものからピックアップ。メーカーのリリース資料と宣材写真だけで、記事化したりはしない。“ROOMIE” はルームメイトという意味。親しみを込めた呼び名だ。同居人に話しかけるようなカジュアルで正直なレビューが信頼を集め、現在は半数近くがブックマークからの流入。コンテンツの切り売り時代に固定ファンを伸ばし続けている。
「ROOMIE(ルーミー)」編集長へインタビュー
編集長 尾田 和実氏
ターゲットについて
創刊当初は部屋の中で完結するものが中心でしたが、現在はライフスタイル全般へ話題を広げています。ROOMIEのターゲットは、周囲に目配せしながらも自身のストレスをちょっとした工夫で回避したい人たち。例えば、着心地バツグンなのに見栄えがいい部屋着なら、着替えの面倒なくそのまま外出もできる。図々しい発想にも感じますが、部屋着みたいなデザインの洋服や、スポーツサンダル、サコッシュといったアイテムは世の中にどんどん広がっています。「ストレスを感じずに生きていくこと」は、特に今の若い世代の消費の根本にあると思うんです。そのニーズをいかに先読みできるかが課題だと考えています。
リアルで多彩な暮らし方「みんなの部屋」取材先と独自のネットワークも築く
こだわりの部屋を紹介する好評連載。取材先の方々とはその後も関係性を継続し、商品モニターなどタイアップ企画でも協力を得ている。(https://www.roomie.jp/feature/house-report/)
メディアの品質を保つ3つのチェックポイント
常に意識しているのは、①リアリティがあるか ②課題解決的なアプローチになっているか ③ストレスを生み出す要素が写真・文体・商品・構成にないか。
ROOMIEのメインコンテンツはモノ紹介ですが、私たちの読者はマニアックな専門性を求めているわけではありません。「同居人のような語り口」とはつまり、本音かどうか。ライターさんにも「専門家っぽく書く必要はないのでウソなく等身大で書いてほしい」とお願いしています。ただ、無印良品のレビューなら無印良品が大好きな人、アウトドアのアイテムなら毎週末キャンプに行っているような人を書き手に選んでいます。そうすることで誉めるだけでなく、好きだからこそ「ココがちょっと物足りなかった」と正直に書いても毒にならない。レビュー内容の信頼性も担保できると考えています。
ニーズを読む視点、文章や撮影のこだわりは
裏コンセプトに据えているのは「ストレス・キャンセル」です。テクノロジーが発達し、大きな意味ではどんどん便利になっていますが、逆に小さなストレスもたくさん生まれています。この、何にストレスを感じるかの「課題さがし」を編集部では年中やっています。「レジ袋の有料化には納得していても、袋のいる・いらないを繰り返し聞かれるのがちょっと……」とか、一瞬で済みそうな小さいストレスを見逃さない。そこに読者ニーズを先読みするヒントがあると思うんです。
文章に求めるのは「読むストレス」をどれだけなくせるか。やわらかい言い回しを意識する、むずかしい言葉は使わない、読みにくい漢字はひらく、など。またレビュー記事は文章に連動した画像をライターさんにお願いしています。実際の見え方になるべく近くなるように、アイテムを屋外で試したり、室内なら自然光で撮ってもらったり。文章表現も撮影方法も、歴代のライターさんたちと一緒にセオリーをつくり上げてきました。
タイアップ記事の域を超えハネた!コロナ禍リモート取材の裏に“ ネイバーズ”
PR記事がハネることも少なくない。その立役者が連載「みんなの部屋」で出会った人たちだ。ネイバーズと呼ばれる彼らが商品をモニター。コロナ禍にはリモートで撮影までこなし、見事に記事をバズらせた!
Webライターの素養とは
Webメディアは「ほぼ自分みたいな人」にしか読まれないと感じます。雑誌なら読者と書き手に距離があってもマーケティングで補えますが、Webではそれがなかなか通用しない。当たり前ですが、50代が無理して20代っぽく書いても響きません。年齢差という意味でなく、価値観の近い人たちが集まるイメージ。だからこそ、Webの書き手にはリアリティが求められると思います。専門家の体で知識を語るより、対象がどれだけ好きか、素直に本音を書けるか。少なくとも私たちはそういうライターさんを歓迎します。
TEXT:井上 久美子
ROOMIE(ルーミー)では、不定期でライターを募集しています。
都度、サイト内で告知されますのでご確認ください。